コールセンターの業務内容(1) インバウンド
【前置き】
コールセンターは1種類ではなく
スーパーバイザーにもいろんな人がいます。
担当している業界やクライアント
スーパーバイザー個人の考え方や経験によって
別の見方もありますので
あくまで参考程度に気楽に読んでいただければと思います。^^
こんにちは。nao(ナオ)です。
今年も残すところあとわずかですね。
ぱーっとお酒を飲んで
あんなことやこんなことなど
いろいろ忘れてしまいたくなる季節ですが
今回はコールセンターで避けることのできない
インバウンド業務についてお話します。
大事なことなので忘れないでネ。
■インバウンドとは
お客様からいただいたお電話に対してご案内する業務のことです。
「受電対応」ともいいます。
これに対して、こちらからお客様にお電話をしてご案内する業務を
「アウトバウンド」といいます。
一般的にコールセンターは
サービス向上とお客様満足度を高めるためにあるので
インバウンド業務の方が多いと思われますが、
通販サイトやBPOセンターの中にはアウトバウンドもそこそこあります。
初回でご紹介した受注センターやカスタマーサポートセンターでは
このインバウンド業務を扱っています。
■インバウンドの存在意義
統計をとった訳ではありませんが
飲食品や医薬品には必ずといっていいほど
フリーダイヤル(通話料タダ)のお客様相談窓口があります。
いま、あなたの身の回りにあるものをひとつ手にとってみてください。
なにかしら電話番号が載っていませんか?
そもそも、企業はなぜコールセンターを設けるのでしょうか。
たとえば飲料品メーカーは
「飲み物に砂が混じっていた」
といったことが起きたら
お客様相談室にお電話いただくことで
より迅速に商品回収対応ができます。
このような場合は
たった1件のお問い合わせがあったお蔭で
同じ商品を購入したほかのお客様への被害を
未然に防ぐことができますので
コールセンタ―が非常に重要な役割を担っています。
その一方で
さほど企業にダメージがないようなお問い合わせ対応のためだけに
コールセンターがあるとしたら、
お客様にはご案内料をいただいていないのですから
『やるだけ赤字なのでは?』という見方もあります。
そこは前述のとおり
サービスの向上・お客様満足度を高めるためです。
企業が永続するためには
本当に必要とされる物やサービスを提供しつづける必要があります。
それには企業自らが
つねにお客様からの声に耳を傾けることが不可欠であり
そのための窓口としてコールセンターを設けています。
■コールセンターは費用がかかる
もちろん、コールセンターを導入するには
場所、人、費用がかかります。
そこで、企業規模によっては
自社内の担当部署の電話番号を掲載して
社内で運営することもあります。
あるいは、お問い合わせフォームやメールアドレスを公開して
そこにお寄せいただくスタイルをとっている企業もありますね。
海外の企業はもしかしたらそちらの方が多いかもしれません。
外資系の物やサービスを利用する時
困ったことがあっても電話窓口がない上にお問い合わせフォームが英語版しかない
…なんて経験ありませんか(笑)
海外にもコールセンターはありますが
個人的な印象としては
「企業側にも客を選ぶ権利がある」という意識があるように思います。
「電話の相手をしてまで説明が必要なヤツは使うな」
というスタンスですかね(苦笑)
いつしか「モンスタークレーマー」
という言葉が出てきたことから窺えるように
日本も「お客様は神様」なんて信仰は一昔ほどはないでしょうが
おもてなし精神のお国柄のせいか
相手に寄り添うスタイルが自然なのかもしれません。
コールセンターの数について国別に統計をとったら
おそらく日本はぶっちぎりでトップな気がします。
(独断による推測ですが)
■インバウンドは投資
コールセンターは、ただ存在しているだけでは機能しているとはいえません。
商品・サービスに詳しいオペレータ―を育成し
電話でのお話を通じて
お客様に何をしてさしあげたら本当にご満足いただけるのかを考えて、
開発部門に伝えることが求められます。
利用されるお客様の年齢や性別、職業など
さまざまな方からお寄せいただくご用件を通じて
企業はつねに社会になにを提供することで価値を生み出せるのかを
日々考えています。
つまりインバウンド業務こそが企業の成長の糧となっているのです。
コールセンターは
企業にとって日々の、そして未来への投資ともいえるでしょう。
顔の見えない相手とコミュニケーションをとれるよう
現場のオペレーターを育成するのはスーパーバイザーですが、
社会全体で見たとき企業を育てているのは
顔のあるひとりひとりの「人」なのです。
物やサービスを提供すること自体が目的なのではなく
物やサービスの提供を通じて「提供する人」と「享受する人」がつながり
みんなにとってより望ましい社会を形成していくことが
直接利益を生み出さないコールセンターが敢えて作られる理由のひとつ
…なんじゃないかと勝手に思ってます。
【第10回…】コールセンターの業務内容(2) アウトバウンド